
時々ですが、リール修理業をやってみたいと言う方が来ます。
それはそれでイイ事だと思います。
明らかになり手の少ない業界ですし、メーカーメンテナンスの質の低下も懸念されていますから。
で、どうやったら成れるのか?
簡単です。
看板を上げれば今日からでも。
資格が必要な業種ぢゃあありませんから。

ぶっちゃけ、技術云々なんてものは機械いじりが好きなレベルで十分かと。
あと、とりあえずの記憶力。
パーツの位置や組み方などを覚えておく必要はあります。
これは分解時に覚えておいて、組み立てはその逆手順にすればイイだけです。
あとは工具の扱いさえ解っていれば基本的なメンテナンスは出来ます。

難しいのは修理。
今の時代、修理といっても、そのほとんどがアッセンブリー交換
要するに悪い箇所を特定して修理するのではなく、悪いであろう箇所の周辺パーツを全て入れ替える事です。
メリットは時間の短縮と作業効率の向上。
デメリットはパーツをゴッソリ交換するため、費用が高くなる。
ただ、メーカーとしてはこの方が儲かる訳ですから、釣具だけでなく家電や自動車なんかもこのやり方が主流です。
どうせお金を出すのはユーザー様ですからね。
話は逸れましたが、修理というのは毎回同じということはありえないんです。
パーツのあるリールなら交換すればイイですが、パーツ保有期限の過ぎたリールになると代用品、もしくは作ることが必要になります。
こうなると技術云々では出来ないんですね。
求められるのは・・・・・アドリブ。
その時々で対応できる即興能力の事。
何が来るか判らない事に対して、準備なんか出来ないんです。
リール修理屋と言う看板を掲げた以上、お客さんは、”修理できるもの”と思って依頼してきます。
依頼されたことにイチイチ、”これは出来る””これは無理”では信用に関わります。
ただ、このアドリブだけは身に着けようとしても簡単に付かないんですヨ。
膨大な場数と失敗。
その失敗を埋めるのがアドリブなんですね。
私の場合は、現場仕事で身に付けられたんですが、それだけ失敗してきたという事なんですよ。(笑)