うちにはプロの道具がよく持ち込まれます。
と言ってもバスプロみたいな中途半端なプロではなく、本物の漁師です。
彼らは毎日タックルを酷使しますから、道具ではすぐにダメになってしまいます。
しかし、今のリール作りの流れは、そういう物とは真逆の進化を遂げています。
如何に軽いか?如何にスムーズに巻けるか?如何に飛ぶか?
実はプロにとって、これらは意味を成さない事が多いんです。
技量の優れた人間は道具を選ばない。
また、ハンデを技術でカバー出来ます。
半端な技量の者ほど道具のウンチクを語りたがります。
プロの道具の条件。
堅牢であること、手入れがしやすいこと。
すぐに壊れてしまうようなヤワなものは必要ないんです。
少々重くても壊れずに、且つ良い状態で長く使えること。
そうなると今のリールは作りが複雑化しすぎてます。
複雑なものは壊れやすいんです。
シンプルに緻密に作り込むことが大切だと思います。
材質を吟味して、可能な限り良い物を使う。
今はそういう設計思想が受けないんです。
もっと言うと、そういう設計を行える人間が居ないのかも?
適当に何年か使えてすぐに買い換えてもらうと言うのが今の流れです。
価格が少々高くとも、壊れにくいプロ仕様のリール。
今のところ、そういうリールは数える程しかありません。