私は元々はオールドリールの修理が専門でした。
最初は古ABUやミッチェル、シェイクスピア等のオーバーホールや調整や修理をやっていたんです。
結局、オールドも現行もそう変わり無いと思って、あらゆるリールのメンテナンスに幅を広げました。
オールドリールって独特の調整方法があったります。
例えばミッチェルのスピニングリール。
先日、このリールのベアリングが破損しているらしいので、修理して欲しいと依頼がありました。
どこかで、ベアリングが破損していると指摘を受けたそうです。
で、ウチが引き受けたのですが・・・・・・破損してません。
単にベアリングのボール受けの隙間が広がっているだけでした。
どういうことかと申しますと、
旧いミッチェルはベアリングのボール部の隙間調整が出来るリールなんです。
矢印のリングを時計方向に締めるとボール部の隙間が小さくなるんです。
勿論、このままでは出来ません。
このようにローター部から外して調整を行うんです。
その際、ベアリング内部の洗浄とグリスアップを行います。
調整が終われば再びローターに戻してやります。
コレだけの事なんですが、このやり方を知っている修理屋はかなり少ないようです。
私の場合、誰かに習った訳ではなく、作業中に気づいたのですが、こういうオールド専門の技術って後に伝えていく必要がある気がしますね。