ルアーと言うモノを知ったのは小学5年生だった。
それまでエサ釣りしか知らなかった。
金属やプラスチックで出来た、魚の形をして針の付いたニセ物に魚が食いつくのだと言う。
そのルアーにはイカリ型の3本針が付いていた。
ルアーがあればエサは要らないから、それでいつまでも釣り続けられる。
ガキの考えなんてそんなもんだ。
引っ掛けると無くなるなんて考えていない。
しかし、ルアーと言うモノを見れば見るほど、本当にこんな物に魚が食いつくか疑問だった。
入門書を見れば、ルアーで釣れる一番すごい魚はブラックバス。
でも、日本に居るところが限られているらしい。
ウグイは練りエサで釣った事がある。
エサを使わない新しい釣り。
エサじゃない物で釣れる魚達。
ルアーの意味は、誘惑、魅力。
誘惑に負け、その後の人生を棒に振る事を選んだ。
それまでやっていた釣りが頭の中から消えた瞬間だった。
つづく?