1981年登場!
リョービのキャスプロ5000Vデス。
ご存知ない方も多いと思いマスが、釣り番組でTVCMも流れていました。
外国人のオッサンがキャスプロ5000Vのタックルを持っていて、
少し離れたトコロにグラスを持たせたお姉さんを立たせ、そのグラスにラバーシンカーを放り込むと言うモノ。
この時に出演していたオッサンは全米キャスティング競技のチャンピオン、シャグ・シェイヒッドでした。
正確にキャスト出来る事をアピールしたCMでしたが、このリールのキモはそんな事ぢゃあ無いんです。
V型スプール。
なんでこんな珍妙な形をしているのかと言いますと、バックラッシュの軽減策。
このスプールの形状はラインが出れば出る程細くなっていき、ソレに伴いラインも急激に減ります。
少なくなったラインはバックラッシュし辛いか、しても軽傷で済みます。( ̄ー ̄)ニヤリ
バックラッシュしにくいと言うより、バックラッシュするライン事態を減らしてしまうと言うモノ。(笑)
単純な発想ですが意外に効果はありまして、追従するメーカーもチラホラありました。
アメリカでは社外品ですがアンバサダー用のV型スプールも売られていました。
それと、地味な部分ですが、クラッチの戻りが早いと言う部分も見逃せません。
当時のリールはクラッチ返しが2点式のモノが多く、ハンドルを1/2~1/4回転させるとクラッチが戻りました。
このキャスプロはどの位置からでも1cmも動かせばクラッチが戻るんです。
当時、この部分に目をつけたリールは他に有りませんでした。
このキャスプロのデザイン、何処かで見た事がある方も多いかと。
ぢつはLEW社のスピードスプールと同じなんです。
カラーが違うので全くの別物に見えてしまいます。※後にブラックモデルも発売されます。
当時、LEWのスピードスプールはリョービがOEM生産していました。
その際、フレームが一体成型のキャスト(鋳物)モノに変わります。
キャスプロの名前の由来なんですが、釣りのキャスティングのプロ(プロ級)と言う意味かと思っていました。
鋳物の英語はcasting。
投げる放るはcasting。
読みもスペルも同じなので、両方を引っかけてあるような気もします。
ただし、アメリカではAD5000Vという名前で売られていました。
ADはADVENTUREの略で、当時のリョービ製両軸リールの多くにこの名前が使われていました。
肝心のリールの評価です!
ギアレシヲ1:5.3
自重 225g
ボールベアリング3ケ
新型オイル遠心ブレーキ
ブラウンとシルバーのツートンカラーはシックで上品。
リール界の貴婦人と呼ばれたとか呼ばれなかったとか?
1:5.3のギア比は当時としては結構なハイギア。
アルミ素材をふんだんに使った自重225g。
当時のアンバサダーと比べてもかなり軽量です。
遠心ブレーキは結構大きめのブレーキブロックにオイルを塗ると言う発想でした。
個人的に効きは悪くないと思いマス。
3ボールベアリング仕様で、かなりよく回ります。
現代のリールと比べても遜色ないくらいの回転です。
ダメな点。
ドラグが弱い。
ワッシャーを交換すれば改善します。
チャンピヲングリップに付かない。
レベルワインドの下部がリールシート押さえと接触してしまいます。
いずれも少し弄れば改善できる事なので、欠点の少ないリールと言えます。
名品と呼んで差し支えないでしょう!