あらゆる年代のリールを取り扱って気づいたのが、スピニングリールの駆動方式の違いです。
メーカーや年代によってかなり違いがあり、その方式も様々です。
現行でもD社とS社では駆動方式が全く異なります。
全く違えど、巻き感は滑らかで力強いデス。
どちらが良いかはユーザーが判断すれば良いことです。
スピニングリールは両軸リールと違って、縦に入ってきたラインを横向きに巻き取るため、常に縦に巻き取れる両軸リールよりも巻き取り力が劣ります。
ギアの角度を90度横に向けることでパワーロスが生じるようです。
その為、60年代から80年代に掛けて各社が様々な工夫を凝らしてきました。
しかし、未だに決定的なギアと言うのは出てきていない気がします。
旧い方式がダメという訳ではなく、単純に当時の未熟な工業技術の為にギア自体の精度や強度が劣っていただけという事もあります。
旧式でも現代の精度で作ればかなり高性能なモノが作れるんぢゃないかと。
1つ言えるのは鋳物のギアよりは削り出しのギアの方が精度や強度が高いコト。
現代でも安価なリールは鋳物のギアで高価なモノは削り出しデス。
ギア自体の価格も全く違います。
あくまで個人的な意見ですが精度や巻き感も含めて優れていると感ぢるのはABU時代のインスプールカーヂナル。
カーヂナル3なんかがそうです。
メインギアは真鍮の削り出しで、ピニヲンギアはステンレス。
強力で重厚な巻き感は当時のペラペラな日本製リールを蹴散らしていました。
更にトラブルも少なかった。
他にはコプテスやオービス(ZANGI)なども採用していました。
国産では大森製作所が一部機種に採用していました。
一生もののリールにふさわしいギア方式だと思います。