大森製作所はかつて埼玉県にあったリールの会社です。
主にスピニングリールを主力としていて、独特のメカニズムに定評がありました。
シマノやダイワとは一線を画す作りは正に職人芸。
ギアなどのパーツ類の耐久性は抜群でした。
その為、大森のリールは価格が安いのに丈夫で長持ち。
80年代にはいるとリアドラグの傑作マイコンシリーヅを発売します。
当初、まだダイワやシマノはリアドラグのリールを発売しておらず、ABUのカーディナルシリーヅのみ。
価格はカーディナルの1/3程度ながら抜群の性能を誇りました。
ただ、80年台中ごろから出てきた浅溝ロングスプールに乗り遅れ、慌てて発売したリールは粗悪なモノ。
原因は製造拠点を海外に移したことによる品質の低下でした。
90年代に入って大森製作所は終焉を迎えました。
70年代、80年代の大森リールには沢山の傑作が存在します。
市場にタマ数は多いので手ごろな価格で入手できます。
私は現在も大森のリールを愛用中。
最廉価盤のコメットですらギアにハンドルをねじ込む方式を採用しています。※この方式は各メーカーのフラグシップモデルに採用されています。
ギアは削り出しではなく鋳物。
しかし、数十年使っても殆ど劣化しない。
更に計算しつくされたベイルのバネは殆ど折れません。
ボールベアリングなんて、1個くらいしか使っていないのに異常に滑らか。
ボディの設計やギア配置など細かな点をキッチリと抑えているから可能なんですね。
機会があれば、一度手に入れて実際に使ってみてください。
メンテナンスはウチが引き受けますよ。(笑)