当時、狂喜乱舞したのはニワカバサーではなく業者。
何を作っても売れる、売れる速度に生産が追いつかない、品薄なものはプレミア価格になる。
人気メーカーの製品は生産が追いつかず、ショップでルアー1個2万円なんてザラ。
もしくは売れ残り商品と抱き合わせ販売。
一時はヤ○ザのシノギにすらなっていました。
それまでエサを売って細々とやっていた釣具店がルアーを置くようになる。
たちまち人が押し寄せる。
バス用品の専門ショップが街の至るところに乱立していました。
大阪市内の一等地に釣具店があったりしました。
ジェットスキーの修理屋がルアーを置いて副業にしている所もありました。
総合釣り雑誌のバスの部分が大幅に増えたり、バス釣りのゲームソフトも次々と発売されました。
芸能人がバスボートを買ってトーナメントに出場したことが話題になり、釣りガールのはしりとなるようなお姉さん達もトーナメントに出場していました。
もはや狂気。
釣り業界をバス用品が引っ張っていたんです。
しかし、光あるところに影。
華やかな業界の裏側では一気に増えたバサーのマナーが問題になります。
それまで静かだった農村地帯の野池に、大勢の釣り人が押しかけ、ゴミを捨てていく。
釣り糸が放置され、足を引っ掛けて転倒したり、怪我をした人も。
大型の四輪駆動車が農道を我が物顔で走り回るようになる。
狭い道に車を止められて、地元の人たちの通行の妨げになる。
どこの誰だか判らない人間たちがゾロゾロとやってきて釣りをしながら騒ぐ。
立ち入り禁止、釣り禁止の場所へ平気で侵入。
釣り人同士のトラブル。
バス釣以外の人達と場所の事で喧嘩になる。
野池の水門を勝手に開いて水を抜く。
施設の破壊行為。
昔だったらベテランが初心者を連れてきて、釣り方だけでなくマナーやルールも教えてました。
しかし、一気に増えすぎたバサーに対して、それらを教える人は少なすぎる。
それならば代わりに業界がそういうことを指導する立場にあるはずが、金儲けにご執心でそれどころぢゃない。
あまり口うるさく言って、釣りから離れられても困る。
結局、全てが後手に回り、業界は超え太り、釣り場は荒廃していく。
そして、ついにバブル崩壊の足音が聞こえてくる。
to be continued